現代社会においてスマホやパソコンスキルは必須です

 先日、知人からお店で使っているパソコンの調子が悪くなったから診てくれないかと連絡があった。
 聞けば、セキュリティのために業者にネットワークカメラを付けさせたところ、メールが使えなくなったとのこと。
 売掛代金の請求書もメールで送信しているので、どうにかしてくれという。

 

 

 

 幸い、ノートパソコンなので、自宅から試しにメール送信できるかどうかやってもらったところ、自宅からなら何の問題もないとのこと。そういうことなら先般導入したネットワークカメラが悪さをしているのだろう。

 知人によると取り付けた業者は最低限カメラの画像をパソコンで見られるようには設定したが、アフターサポートについては月々5万円のサポート料金を支払えばやりますということらしい。
 このくらいならマニュアルを読めば、手掛かりはあるはずということで、早速マニュアルを出してもらおうとすると、マニュアルは手元になく、業者が持って行ってしまったという。マニュアルを人質に身代金を払えと言っているようなものだ。
 穿った見方をするなら、それを目論んでメールを使えないようにしていったのかもしれない。
 まぁ、今の時代、マニュアルは機器メーカーのHPからダウンロードできるからいいが、知らない人にとっては「私の子供を返して!」って感じになるだろう。

 しかし、その知人、私から見れば、驚くほどパソコンやスマホなどの情報機器のスキルを持っていないのだ。
 それ故か「コンピューターウィルス」という言葉に過剰反応し、パソコンの中にはカルペルスキー、ウィルスバスターといくつもアンチウィルスソフトがインストールされていた。完全にオーバードーズだ。

 そんな知人は次に、カメラを取り付けた業者とは全く無関係の事務機屋を呼んだ。
 知識が無いだけに、いったい全体何をどうすればいいのか、どうすべきかも分からないので、パソコン⇒事務機⇒事務機屋 と繋げていったと思われる。

 小規模でもLANを構築した経験があれば分かると思うが、自分では分かるものも、初見の人が見て場合、よっぽど整理されていない限り、暗号のようで解読に存外手間どるものだ。

 当然、その事務機屋もLANの整理も再構築も、ネット構成の確認すらしない。なんのスキルも無いカモ相手にそんな面倒化ことをする筈もない。
 では、どうしたかというと、ウィルスチェックもしていないのに「ウィルスに感染していることが分かりました。応急処置としてウィルスセキュリティ機器をつけていきます」ということで、外付けウィルスセキュリティを付けていった。メールは使えないまま…

 それから、2日ほど後に見積を持ってきたが、総合セキュリティプランとのことで、なぜか新しいノートパソコン3台にNASまでついていて、初期費用が¥1,500,000+毎月のサポート料金として¥60,000だという。ぼったくりだ。

やはり、メールは使えないまま…

 そんなこんなで、早速知人の店にお邪魔して、実際に見てみるとルーターが3台もついている。それぞれのパソコンに1台ずつルーターがついている。
 知人によると、業者が来るたびに増えていって、今となっては、どれが、元々あった物なのかも分からないという。
 複数の業者がろくな説明なしに勝手に取り付けていった機器がスクラップのように山積みになっている。配線も絡み合って団子のようだ。

 大企業でも金融業でもない小さな商店でここまでのセキュリティがいるのだろうか?しかもまともにネットに接続できないような。

 こうなるとその知人もどうすればいいのか混乱の果てに思考停止状態になっているうえに、先のカメラ取付業者からは月々¥50,000払えば設定する。事務機屋からは百数十万見てくれればウチで面倒みますなどと矢の催促だ。

 その知人の事業内容、規模、パソコン業務の内容なんかを考えてみれば、普段使いの車にフェラーリやロールスロイスを買わせるようなものだ。

 ただ、使っているパソコンの内、何台かは未だにWindows10だったので、それはWindows12にも対応可能なWindows11マシンに買い替えるように勧めた。
 せいぜい2~3台のロースペックなパソコンをリースすることもない。ビジネスパソコンは消耗品だ。

 あとは、カオス状態のLANを整理して、余計な機器を取り外し、セキュリティの設定、メーラーの設定をやり直せば事足りそうだ。

 ただ、こういう状況に陥ったのは、たまたま悪徳業者に引っかかったということかもしれないが、その知人にも責任はある。
 第一に「自分はパソコンについては何の知識も無いからお任せする」というスタンスをとってしまったこと。
 第二に「お金はあるから、とにかくハイスペックで良いものが欲しい」と言ってしまったこと

 金が絡む商売事では知識がない者が前面に出るのは危険だ。それなりに知識のある信頼できる人に相談すべきだし、「知識は無いけど、お金はあるから、とにかく最高の物を」などと言うのは、「自分はカモです宣言」でしかない。
 正解は、対象となる業務、求めるセキュリティレベルを明確にした上で、それに見合った物を数パターン提案させる」、そして予算を明示、提案書を提出させること。即決はしないことだ。なんならダメ出しすることも大事だ。

 営業マンにはお人よしは一人もいないと思うべきだ。彼らは売ってナンボ、カモと見れば、骨の髄までしゃぶり尽くそうとするものだ。

 パソコン関連のサービス業者というのは、それなりの知識を持った客には従順な羊の顔をするが、一部の業者は客に知識がないと見るやいなや、肉に群がるハイエナと化すということがよく分かった。その様子はハイエナの群れが寄ってたかって獲物を貪り食うようだ。

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