建築鉄骨業界でも「現場検査士」という資格をご存知の方は少ないと思います。ここでいう「現場検査」というのは(特にトルシア型)高力ボルトの現場受入検査のことを指しています。
2022年12月3日にその講習会が開催さたので、東京まで受けに行ってきました。
「現場検査士」認定講習会ですが、3年に1回しか開催されません。従って、1度チャンスを逸すると3年間待たないといけなくなります。
ただ、この資格は高力ボルト現場受入試験を実施するにあたり、絶対なくてはならい資格ではありません。ですが、「信用度」という点ではやはり箔がつくということになります。
この資格は、国内の高力ボルトメーカー8社によって構成される「高力ボルト協会」による民間資格です。
現場検査士の業務は現場に搬入された高力ボルトの異常の有無を確認することです。
業務内容としては1)外装が開けられていないか、2)外装が痛んでいたり水濡れしたりしていないか、3)製品が外装に明記されているメーカーと合致しているか、4)監理者に提出された出荷証明記載のロット番号とあっているか、5)中古品や他現場で余ったボルトを使用していないか、等を確認し、異常がなければ高力ボルトのキャリブレーションを行う、です。
講習は1時間、試験時間20分の筆記試験を受け、試験の正答率70%以上で合格となります。この資格も、講習の中で、どこが試験に出るかを暗に示してくれますし、筆記試験も20問と少ないうえに受講者はほとんどがファブリケータ、ねじ販売業者と業界人なので、あまり不合格になる人はいないそうです。
試験の範囲ですが、主な高力ボルトの種類(六角高力ボルト、トルシア型高力ボルト、溶融亜鉛めっき高力ボルト)、1次締めの締付けトルク、油圧式軸力計を使用する際の注意点、現場検査に必要な器具などです。
講習後10日から2週間前後で合否よらず結果が郵送されてきます。
なお、この資格は3年ごとの更新で新規受験と更新が同時期に行われます。従って、次回の新規受験は2025年です。また、資格更新は「溶融亜鉛めっき高力ボルト接合施工技術者」の有資格者でなければ(更新申請)できないので、この資格をもっていない場合は合格後3年以内に取得しないとなりません。
溶融亜鉛めっき高力ボルト接合施工技術者認定講習会は年2回開催されます。
最後に現場検査士講習会の開催告示は高力ボルト協会のホームページに掲示されます(12/17現在、ウェブサイトは開かない状態です)。