回転軸はXであり、図心を通るものとする。
この場合、赤色の断面と緑色の断面の2次モーメントを足し合わせれば、断面全体の2次モーメントになる。
まずは、赤色の断面について。単純に断面二次モーメントの公式に当てはめればよいので、$$I_{X_{red}}=\frac{t(h-2c)^3}{12}・・・(R)$$である。
次に、緑色の部分について。これは上下に2ヶ所あるので、下側の1つについて考える。
回転軸を $X’$ 軸とすると、断面二次モーメントは $$I_{X’_{green}}=\frac{bc^3}{12}$$である。ただし、緑の断面は真の回転軸 $X$ から $\frac{(h-c)}{2}$ 離れているので、平行軸の定理を用いれば、以下の通りになる。$$I_{X_{green}}=\frac{bc^3}{12}+bc\{\frac{(h-c)}{2}\}^2・・・(G)$$
断面全体では $(R)$ と $(G)$ を足し合わせる(※緑色の部分は上と下の2ヶ所なので2倍することを忘れないように!)だけなので$$I_{total}=\frac{t(h-2c)^3+2(bc^3+3bc(h-c)^2)}{12}$$
上式のを展開すると$$\begin{equation}\begin{split}I_{total}&=\frac{t(h^3-6ch^2+12c^2h-8c^3)+2(bc^3+3bc(h^2-2ch+c^2))}{12}\\ \\&=\frac{th^3-6tch^2+12tc^2h-8tc^3+6bch^2-12bc^2h+8bc^3}{12}\\ \\&=\frac{\color{red}bh^3\color{black}+th^3-6tch^2+12tc^2h-8tc^3\color{red}-bh^3\color{black}+6bch^2-12bc^2h+8bc^3}{12}\\ \\&=\frac{bh^3+t(h^3-6ch^2+12c^2h-8c^3)-b(h^3-6ch^2+12c^2h-8c^3)}{12}\\ \\&=\frac{bh^3-(b-t)(h-2c)^3}{12}\\ \\&=\frac{bh^3}{12}-\frac{(b-t)(h-2c)^3}{12}\end{split}\end{equation}$$
$$\because{h^3-6ch^2+12c^2h-8c^3=(h-2c)^3}$$
このように図心が同じ場合、長方形ではない断面では、断面の差し引きで断面二次モーメントを求めることができる。