時期尚早? UTの2次試験にむけて

 JSNDIの非破壊検査技術者試験は1次試験と2次試験の2段階です。
 1次試験の合格者は1~2か月後の2次試験を受験することになります。
 以外かもしれませんが、この実技試験を突破するために実際の製品の探傷をすることは全く役に立ちません

 ファブの社長さんなどには、「毎日機械を触って、実際に探傷しないと非破壊技術者の資格試験は受からない」と言っている人も少なくないと思います。


 しかし、試験対策にならないですし、どうせ、資格を持っていない(実情をしらない)でしょうから、そこは、やる気満々「頑張ります!」と言って聞き流しです。
 でも、確かに、毎日機械に触れることは大切です。しかし、何度も言いますが、こと資格試験対策としては、実製品の探傷試験は本当に全く役に立ちません。
 というより、変な癖がついて、試験につまづくこと可能性のほうが高いです。資格を持っていないということは経験が不十分というか皆無なのですから、我流の探傷操作をすることになります。実技試験は形の試験ですから、我流はです。

 実技試験の探傷では、確実に試験片の中に「きず」はあります。しかも、きずの場所、向き、大きさ、数もすべてわかっています。
 試験では、それらのきずを、基本通りの(形に則った)操作でいかに早く、正確に見つけて、効率的にデータを拾いマークシートを作成するかが問われるのです。
 ですから、我流の探傷操作ではダメなんです。例えばDACを作成する時、実務では1点目と3点目を拾ってから、標準試験片を裏返して2点目を拾うほうが効率的ですが、それを実技試験で行うことはNGです。
 実技試験では探触子の持ち方、動かし方、試験片をもとの場所へ戻すとき、使用した探触子をもとの位置にしまうときに、それらに付着している接触媒質をきちんと拭き取っているかどうかという点までチェックされます。レベル2では接触媒質にマシン油とソニコートの2種類を使用しますが、同じティッシュペーパーで異なる接触媒質を拭いていないかもチェックされます。
 まさに「形(かた)」、「作法」の試験です。

 ですから、実技試験対策には、各課題に合わせた試験片(市販品があります。)を用いた、模擬試験操作を何度も何度も繰り返すことが有効です。
 最初は時間無制限で形、作法を身に着けます。その次に実際の試験時間内で操作完了する「タイムアタック」でブラッシュアップしていきます。もし、近隣に試験片をもっている検査会社やファブがあれば、そこへお願いして試験片を使わせてもらうのもすごく良いと思います。
 これを実技試験までの1~2か月間で叩き込んでください。つまり、実際の製品相手の探傷などやっている暇は無いということ。

 ちなみに本番は試験時間に全く余裕はありません。ノーミスで操作して、終了時間5分前でデータ拾いが終われば優秀な方です。
 ミスを犯したとき、手間取った時も「平常心」が大事です。
 万一、間に合いそうも無いというときは、以前の記事「非破壊試験技術者(UT2)合格しました!」に最終手段を書いてありますので、参考にしてもらえればと思います。

 最近の2次試験では機種は絞られますが、探傷器の持ち込みもできるようになりました。
 ここで注意しなくてはいけないのが、探触子のケーブルの形状です。試験ではJSNDIが用意した試験用の探触子を使用しなくてはいけませんが、この探触子の接栓は「小レモ」です。
 北海道あるあるなのですが、北海道ではなぜかほとんどの検査屋さん、ファブさんが所有している探触子がG接栓です。当然ケーブルも「大レモ♂」—「G接栓♀」です。
 「大レモ♂」—「小レモ♀」ケーブルが無いと即アウトになります。新品で購入しても数千円ですから、試験用に1本、切断した時に備えて1本、最低2本は用意しておくことをお勧めします。

 最後に、1次試験終了までは1次試験に全集中です。1次合格したら、2次試験に向けて全集中です。
 それと実技試験本番ではティッシュペーパーはケチらないでどんどん使うことです。一回拭いたら、ごみ袋へポイッ!ですよ。

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