ネットに見る心理テストと日本人

 最近、ネットの「ワイ・ホー」サイトにある、「心理テスト」を面白いなぁと思ってやってみることが多い。書いている人は一応実名で公認心理師と明示している。その内容は、ある画像(というか幾何学的な「絵」)が表示されていて、これは何に見えますか?となっている。その答えによって、自分の隠されている性質とかが判定されるというもので、ご存知の方は多いと思います。
 そして、その答え(というか選択肢は)決まって4つなんだよね。「Aに見えた人は○○」、「Bに見えた人は実は△△」とか。
 そこで捻くれ者の自分は、「ヒト(少なくても日本人)の心理的なパターンは4つだけなの?」と思ってしまった訳です。というのも、自分の場合、出す答えが表示された4つの中には無いことが殆どだから。
 若い時に自分はオーストラリアの大学に留学していたけど、あちらではこういう心理テストみたいなものとか、自分の特性をパターンに分類するものは見たことがなかった。だって、あの国では自分が何かの系統に分類されるというのはとても嫌なことだし、そもそも私は私、あなたはあなた、という考え方だったし、自分としては、そういう社会が健康な社会だと思うんだよね。
 でも、日本はというと、ワイ・ホーなどにある心理テストが「1億5千万の人間をたった4つのパターンに分類すること」に見えるように、所謂「権威」が示す、いくつかの型、パターン、系統といった「区画」にはまることを強いる性質があると思っている。そして、その区画に分類できない「個体」はイジメられ、社会から排除され、最後は自死を強要されるんです。
 日本のようにスペース的にも、物質的にも貧弱な集団では一体感、統一感というのは種族の保存上、重要だったとは思うけど、現代では個人が自由に地球上に居場所を求められる(求めるバイタリティは必要だが)のだから、このような民族的な性質は、反対に集団滅亡の原因になると思うんです。
 例えば、今回の「新型コロナのパンデミックと東京オリンピックの強行」みたいに、「パソナのエゴ=国家・民族の真意」と簡単になってしまうのであれば、過去に、「大政翼賛会の意見=全国民の声」となって、100%勝ち目の無い世戦にばく進したように、今後(も)、日本人は致命的な事象が生じたときにはレミングネズミの集団自殺みたいなことを妄信的に繰り返すんだろうと思っちゃうんだよ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です