UI/UXについて思う

 最近、UI(ユーザーインターフェース)とかUX(ユーザーエクスペリエンス)という言葉をウェブ上で目にするようになった。
 UI/UXもウェブサイトなどメディアデザインに絡んだものだが、その考え方は建築鉄骨製造業などの業種にも無関係ではない。

 製造業におけるユーザーとはその製品を購入する顧客であることは間違いないだろうが、多段的に各工程が絡む製造業ではユーザー次工程の担当者である。建築鉄骨では設計部門から見た製造部門がユーザーだし、製造部門から見れば現場で鉄骨を組み立てていく鉄骨とびがユーザーとなる。
 建築現場で鉄骨を組み立てていくには、鉄骨部材そのもののはもちろん、組み立てるための符号の書かれている図面(合番図という)、製品に書かれている符号、接合するためのボルトなどいろいろな部品と資料が必要だ。
 この資料が見ずらい、読みずらい、符号が見にくい、消えている、更には荷下ろしが適当で、部材置場のどこに目的の部材があるのか分からない。なんていうのは取りも直さずUI的なアイディアが欠落しているからだ。
 では、UXはどうか?鉄骨を組み立てていくうえで、その建物の全体像が見えていることは大きな武器になる。そのためには鉄骨施工図という平面図と立面図が必要になる。これに加えて、3D画像があればイメージしやすくなる。どうすれば読みやすい施工図になるかを考え作図することが、鉄骨製造業におけるUXだと思う。

 このUI/UXの最も進んでいるものが、回転ずし店のタブレット端末だ。某チェーン店では、それぞれのテーブルに設置されたタブレット端末のトップメニューは極めてシンプルだ。
 メニューの階層設計も「握り」、「巻物」、「おすすめ」・・・と並んでいて、それぞれの下層項目には寿司の品名とカラー写真が表示され、写真をタップすると、何皿注文するか、注文を確定するかやめるかと進んでいく。客は理屈を考えることなく、まったく直感的に操作すれば良い。
 UIが考えつくされているし、寿司のカラー写真を見ることで客は、「こんな寿司が来るんだな、どんな味だろう」というワクワクしながら待つのである。まさしくUXそのものだ。

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