T継手溶接部のUT探傷範囲

 皆さん、COVIT-19には感染されていませんか。自分は鉄工所に勤務していますが、鉄工所はテレワークのできない職種の代表ですよね。
 こうなると感染しないように、または感染を広げないようにするしか手がありません。
 ちなみに自分の勤め先では、従業員通用口とお客様用玄関には消毒用のエタノールスプレーと非接触型体温計が設置してあり、体温が高い従業員はそのまま帰宅させることになっています。

閑話休題

 今回は溶接部のUT(Ultrasonic Testing/超音波探傷)を実施する際、T接手溶接を例に、どの範囲を探傷すればよいのかということで。

 T接手は建築鉄骨製品においては、柱と仕口の溶接やダイヤフラム、ベースプレートの溶接など、必ず存在すると言える溶接部です。
 その様な溶接部のUTでは直射探傷のみでは表面側の探傷ができない部分が出てきます。
 下の図を見てください。


 探触子を溶接ビートのきわまで近づけたとしても図の斜線で表した部分の探傷はできません。
 そこで、1スキップ(1回反射)とか1.5スキップ(2回反射)での探傷が必要になってきます。

 下の図では溶接ビートの端から1スキップの距離までの範囲を探傷すれば用が足りることがわかります。
 ただ、溶接ビートは溶接者の技能によって形状が変わりますから、実用上、溶接基線(この場合はT接手の横棒部分)から1スキップ分の距離+探触子の長さ程度を探傷すれば溶接部内部の探傷は網羅できるでしょう。

 これも板厚が薄くなると2スキップ分+探触子の長さとかになってきます。

 反射を使ってで探傷をする場合は、予め1回反射、2回反射のビーム路程距離も計算しておきます。
 そうすれば溶接部以遠からの反射エコーである場合の判断がつきます。
 また、裏当て金の端部エコーもよく出現しますが、それは板厚より数ミリ以上下で基線から25とか30㎜からの反射なのですぐにわかります。

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